昨年書いたある記事のアクセスが最近増えてきました。アクセスが増えた記事はローデッドの注射器の記事です(参考:インフルエンザワクチン不足に朗報! ローデッドの注射器)。新型コロナワクチンの接種の際、注射器のデッドスペースのロスが問題になり、突然注目されるようになったローデッドの注射器ですが、一般的な普及率は数%のようです。
改めてローデッドの注射器を解説してみたいと思います。
ローデッドタイプの注射器とは?
ローデッドタイプの注射器とは、デッドスペースの少ない(ローな)注射器のことです。
デッドスペースは先端の注射器の針を差し込む部分です。
上の注射器の先端は空洞になっていることがわかります。
一方下の注射器の先端には黒いゴムが刺さっています。この黒いゴムがあることで上の写真の空洞をゴムが押し出すことでデッドスペースがほとんどなくなります。
上が普通の注射器、下がローデッドタイプの注射器です。
通常の注射器のデッドスペースは?
興味あってどれだけデッドスペースがあるのか調べてみました。
生理食塩水で実験してみました。
打ち終わった注射器からデッドスペースにたまった分の液を空気を吸って下に追いやってみました。
メモリでは0.05mlになっていますが、円錐形にゴムが盛り上がっているため盛り上がり(高さ)が0.03ml分と考えて、円錐なので3分の1で0.01mlはゴムの分と考えました。都合0.04mlがデッドスペースになっていそうです。
インフルエンザワクチン0.5mlの注射のうち0.04mlとすると8%になります。
0.5(ml)÷0.04(ml)=12.5
インフルエンザワクチンでは12.5回に1回分デッドスペースでごみ箱に入っていた計算になります。勿体なかったです。
情報って大切ですね。このデッドスペースの少ないローデッドの注射器を使うのと使わないので、8%も多くの方にワクチンの接種をすることができます。
新型コロナワクチンの接種量がいくつになるのかわかりませんが、貴重な新型コロナワクチンが通常の注射器を使うことで1回当たり0.04mlもロスをするとなると大問題ですね。
ローデッドタイプの注射器が行き渡ることを祈っています。
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