逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)

大人の逆流性食道炎

逆流性食道炎とは酸性の胃液が食道に逆流することで食道に炎症を起こすことで発症します。
日本消化器病学会の胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015によると日本人の有病率(病気を有する率)は10%前後とされている疾患です。
大人では「胃もたれ」や「胸やけ」、「食べた後酸っぱいものが上がってくる」といった症状が認められます。大人の場合は疑うことさえできればセルフチェックにより比較的容易に病気を見つけることができます。(当院では医療機関向けのこちらのサイトを利用しています)

小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)

大人の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)と異なり小児では症状を自分でうまく伝えることができないため気づかれにくい特徴があります。
小児の胃食道逆流症としてMSDマニュアル家庭版によると乳児では「嘔吐」「過度の溢乳(いつにゅう)」、幼児では「胸痛」「腹痛」「ときに胸やけ(胸骨の裏側の焼けつくような痛み)」と表現されています。
確かにこれらの症状があれば「病気」として認識されそうです。
我が家の経験では、教科書にあるような消化器症状ではなくても逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の可能性がありそうだと考えるようになりました(参考:逆流性食道炎次女長男スタッフのお子さん患者さんのことなどをブログとして書いています。)。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の治療薬ネキシウム®のメーカー情報を持っていないかと思い問い合わせてみました。小児の逆流性食道炎の症状や内服の目安などがあれば教ええてほしいと伝えましたが、現在ないそうです。小児科の先生に相談しても、小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の患者さんはいないといわれてしまうそうです。小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の症状・病気自体が認識されていないようです。

そこで自分で作ることにしました。

小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の症状

病気は大人と同じなので症状も同じはずです。言葉で書けば「胃もたれ」「胸やけ」になるのでしょうが、小児の場合うまく表現できないためお子さんの症状や行動から病態・身体の中で起こっていることを類推する必要があります。
私が私の長男、次女、スタッフのお子さん、患者さんからお話をお伺いしてみつけた小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の可能性のある症状は以下の通りです。
自分で症状を話すことのできるお子さんは下記に当てはまる自覚症状(患者さんだけが認識する症状)がないかを確認していただき、自分で症状を話すことのできないお子さんは他覚症状(他人からも認識できる症状)に該当しないか確認してみてください。

自覚症状
  • 吐き気が強くて朝食が食べられない
    (恐らく夜横になって寝ているため、胃液が食道に逆流し食道炎が起こっているため違和感がある可能性が高いため、朝食を食べられない)
  • 横になると吐き気が強くなる(横になると胃液が食道に流れこむため)
  • 酸っぱいものが上がってくる(胃液が食道まで逆流してタイミングによっては口元まで胃液が逆流する可能性が考えられます)
  • いっぱい食べると吐き気がする(いっぱい食べると胃の満杯になり、胃液が逆流することが考えられます)
  • リクライニングシートに寝るように頭を上げて寝ると吐き気が弱まる(胃液が食道に逆流しにくいため)
  • 吐き気があり腹痛の訴えはあるが、嘔吐はない
    (恐らく食道に炎症が起こっているため腹痛や吐き気を感じてしまうが、嘔吐反射や胃の内圧が高まっているわけではないため嘔吐はしない)
  • 食欲がない、お腹が空かない(胃液が逆流して食道に炎症が起こっているため食欲がわかないようです)
他覚症状
  • 昼食・夕食は少量だけ食べられる
    (恐らく昼間は横にならないため、食道に炎症があっても空腹もあり何とか食べられる)
  • 食事はしないがお菓子は食べることができる
    (恐らくお腹は空くため、少量で満足感が得られるお菓子は食べる。お菓子だと量が少ないため胃液がそれほどでないため逆流が起こらないが、食事をすると胃液が多量に出ることで逆流が起こるため食事はしたくない)
  • 食後横になれない、あるいは食後横にならない
    (恐らく食後横になると食べた物を消化するために分泌された胃液が食道に逆流するため、食道炎がひどくなるのを経験的にわかるようになるため横にならなくなる)
  • 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
    (恐らく食事を飲み込むと胃液が食道に逆流するようになるため辛くなり、食事が進むにつれて次第に飲み込めなくなる)
  • 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っているあるいは体重が増えない
    (たくさん食べると胃液が逆流することで辛くなるため無意識のうちに食べる量を辛くならない量に加減してしまうため。自覚症状である食欲がわかない結果体重が減るのかもしれません)

まず疑うこと

基本的に自覚症状が中心のため小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)は気づかれにくいのが特徴です。
恥ずかしながら私の子供次女と長男が逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)になりましたが、逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)を疑っていないため気づくのが遅れました。嘔吐などの明らかな他覚症状がないため病気だと認識できず体重が次女で3Kg、長男で1.5Kg減った時点でおかしいと思いました。
特に長男は「横になったらオエオエが出る」と泣きながら訴えたことからピンときて診断に至りました。4才で言葉にできたことで診断に至りました。もっと年齢が低いと言葉にできないため逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)を疑って他覚症状から類推するしかありません。(そもそも疑っていないと上記症状に気づけないと思います)
特に息子の場合、食事はしなくてもお菓子は食べるので、病気とは思えませんでした。

上記に当てはまれば診断と治療を兼ねて以下の治療を試してみることがお勧めです。

逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の治療方針

日本消化器病学会の胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015によると大人の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の治療方針では、自覚症状や他覚症状問診で診断がつくあるいは疑わしい場合ネキシウム®などのPPI(プロトンポンプ阻害薬)内服をして様子をみて、症状がなくなれば一過性症状として診察終了とするそうです。
再度症状が出る場合やPPI(プロトンポンプ阻害薬)を内服しても改善しない場合には、内視鏡により診断が確定しネキシウム®などのPPI(プロトンポンプ阻害薬)を8週間投与するようです。
小児では指標がないため、症状をみながら継続するか終了するか見極めることになります。逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)以外の疾患の可能性があれば内視鏡検査を施行する必要があるのかもしれませんが、負担が大きいため内視鏡検査は極力避ける方がよいと思います。
これまで小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)にPPIを処方した患者さんは子供たちを含めて5人ですが、みんな薬を飲むと症状が改善しています。長男とスタッフのお子さんは薬を中止すると症状が再燃したため再投与を行い、スタッフのお子さんは2週間程度の再投与で落ち着きました。長男は薬を飲んでいる間は食べるのですが、中止してしばらくすると食べなくなってまた飲ませるということを半年近く繰り返しています。しばらく飲ませないことをしてみると体重が減ってきてしまうのでやむを得ず断続的に飲ませています。手探りで内服の継続・中止を検討するしか今のところなさそうです。

逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の理解のある小児科か消化器内科の受診を

発熱・嘔吐・下痢などの症状がなく元気にもかかわらず、気持ち悪いということを繰り返すことがあれば、逆流性食道炎をみてくれる病院(小児科あるいは消化器内科)を受診してみてください。小児の逆流性食道炎の治療をしてもらえるかお電話で確認されてから受診するようにしてみてください。

発熱や嘔吐・下痢などがないのに食欲不振や体重減少がある場合、呉近郊であれば橋本クリニックでも対処可能です。
(状況により総合病院へ紹介する可能性があることをご了承ください)
お近くに診てもらえる小児科や消化器内科がない場合、新型コロナウイルスの感染予防の観点から期間限定で認められている橋本クリニックのオンライン診療をご検討ください。ただし通常の診察代に加えて「情報通信機器の運用に係る実費」「curonのアプリ利用料」が余分にかかりますので、通常の診察代に比べて最大約800円程度割高になってしまいますのでご理解の上ご利用ください。(小児の逆流性食道炎でのオンライン診療をご希望の場合、まずは橋本クリニック(0823-32-3000)までお電話でご相談ください。オンライン診療を設定する際の問診票を小児の逆流性食道炎にするためです。)

お子さんで発熱や嘔吐・下痢などの明らかな症状がある場合には小児科を受診するようにしてみてください。

ブログに書いた小児の逆流性食道炎の話はこちらをご覧ください。

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