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原発性多汗症(hyperhidrosis)

多汗症とは読んで字の如く病的にたくさんの汗をかく疾患のことです。汗は本来体温調節に必要なものですが、体温調節に関係なく病的に多量に汗をかいてしまいます。多汗症には続発性多汗症と原発性多汗症の二つがあります。続発性多汗症とは何か他の疾患に伴って過剰な発汗を引き起こす多汗症で、原発性多汗症は続発性多汗症のように他の原因なく手掌,足底,腋窩という限局した部位から両側性に過剰な発汗を認める疾患です.

手の多汗症では上の写真のように発汗がテカテカ光って目に見えます。重症な方は球のような汗が見えるようになります。

診断基準

1)最初に症状がでるのが 25 歳以下であること
2)対称性に発汗がみられること
3)睡眠中は発汗が止まっていること
4)1 週間に 1 回以上多汗のエピソードがあること
5)家族歴がみられること
6)それらによって日常生活に支障をきたすこと

6症状のうち2症状が当てはまる場合を原発性多汗症と診断する。
出典:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版

治療方針

  • イオントフォレーシス
    • 患部に電気を流す治療法です。手掌・足底・腋窩の多汗症の適応があります。
    • 大きな副作用はありませんが、ピリピリした刺激感があります。
    • 効果が期待できないことがあります。
    • 治療を継続する必要があります。
  • 塩化アルミニウム水溶液
    • 塩化アルミニウム水溶液を患部に外用することで発汗が抑制されます。
  • 内服薬
    • プロバンサイン®
      • 多汗症の保険適応があります。
      • 閉塞隅角緑内障、排尿障害のある前立腺肥大の方には処方できません。
      • 口渇などの副作用を来すことがあります。
      • 主にイオントフォレーシス・塩化アルミニウム水溶液の無効例、顔面などイオントフォレーシスの行えない部位の多汗の治療に用います。
    • グランダキシン®
      • 自律神経失調症のお薬です。
      • 緊張した場合の発汗に有効です。

その他の治療法として腋窩多汗症に対してエクロックゲル®️やボツリヌス毒素を局所に注射する治療法、手掌の多汗症に対して交換神経遮断術という治療法があります。
手掌の多汗症に対する交換神経遮断術は劇的な効果が期待できますが、全身麻酔での手術が必要なことと、手掌以外の部位の多汗を来す副反応が起こる場合があります。一度手術をしてしまうと元には戻せないため最終手段とお考えください。

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