爪のまわりが腫れて赤くて痛いとき(陥入爪)の治療

陥入爪とは?

爪のまわりが腫れて赤くて痛いときは化膿性爪囲炎・ひょう疽による場合と陥入爪による場合があります。ちなみに通常巻き爪は痛くはなりません(参考:巻き爪は痛い?巻き爪と化膿性爪囲炎化膿性爪囲炎について)。
(他にはヘルペス性ひょう疽:ヘルペスによる爪囲炎もあります)
陥入爪とは深爪などがきっかけで爪の周りに感染を来し治りにくい病気のことです。
化膿性爪囲炎と陥入爪の関係は、爪甲尖端付近に化膿性爪囲炎を生じ、痛みの理由が爪が当たることがが原因と考えられた方が深爪(爪を爪根側深くで切ってしまうこと)をしてしまうことで陥入爪を発症するようです。稀に深爪をしなくても自然に割れてしまって結果として深爪になり陥入爪を発症する場合もあるようです。自然に爪が割れて陥入爪を発症をされるのは10人に1人以下で、多くの方はご自身で深爪されて陥入爪を発症してしまいます。(極まれに病院で誤った爪の切り方をされて発症する場合もあります)
陥入爪も爪囲に感染を来すという意味でで化膿性爪囲炎に含まれると思います。化膿性爪囲炎の中で主に深爪をして感染が悪化したものが陥入爪という認識でよいと思います。(参考:爪のまわりが腫れて赤くて痛いとき(化膿性爪囲炎:ひょう疽))。

 

別の方の写真ですが、軽いと左側の写真の状態ですが、感染を長く繰り返していると右側の写真のように肉芽形成を生じてしまいます。

原因

化膿性爪囲炎、陥入爪の原因は何らかの理由による爪周囲に対する細菌感染です。
特に細菌が皮膚にダメージを与える毒素を出すことにより、症状が悪化する場合がよくみられます。

陥入爪の原因は爪の尖端(爪先)が欠けてしまうか深爪により爪先の端が爪根(爪の根本側)に近いところで食い込んでしまい、爪の断端(爪の角)が皮膚を傷つけることで感染を更に誘発するようです。ただし悪化因子ではありますが、根本原因ではなさそうです。何故なら爪の形が原因であれば、爪の処理をしなければ治らないはずです。実際には爪の処理をしなくても治ることが多いからです(刺爪になっている場合には爪を切る場合があります。参考:陥入爪について

細菌感染のコントロールができない場合、肉芽形成を来します。

爪が釣針の返しのようになっている場合を刺爪といいます。
爪が皮膚に刺さることで絶えず傷を作ってしまい、感染のコントロールがつかないことがあります。

 

陥入爪の治療

私自身が痛い治療は極力受けたくはないので、当院ではできる限り痛くない治療を心がけています。やむを得ず痛みを伴う治療を行うことは最終手段だと考えています。
陥入爪の治療は感染のコントロールが一番です。抗生物質により細菌感染のコントロールを行います。
陥入爪の感染コントロールは困難なことがありますので、症状が激しい場合には細菌培養検査をして原因菌を特定して適切な抗生物質を選択し投与します。

第一選択薬としては当院ではフロモックス®を使います。
フロモックス®で改善しない場合や培養の結果が出た場合には別の適切な抗生物質に変更して治療を行います。

刺爪の場合には爪甲切除を行います。(抗生物質などの保存的治療で改善しない場合に最終手段として爪甲切除を行います。爪甲切除・手術が必要な方は陥入爪でお越しになる10人~20人に1人程度の割合です。)
爪の断端に角を作らないように船の舳先をイメージして爪が伸びても当たらないように切ります。
今まで何人も斜めに角をなくす切り方をしていますが、再発してこられた方は一人もおられません。(再発しても他院に行かれていると私にはわかりませんが)

実際の治療

軽症の場合

左1趾の爪甲内側に痂疲を伴う発赤を認めます。
軽度のため培養は行わずファロム®内服を行いました。
右側は5日後の写真です。感染は落ち着き痂疲周囲の紅斑が治っています。
痛みが全くなくなったので抗生物質の追加はせず終診といたしました。

肉芽形成のある場合

肉芽が著明なため長期間感染を繰り返していたことがうかがえます。
細菌培養検査に提出し、結果が出るまでの期間フロモックス®の処方を行いました。

培養検査

Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)が検出されました。
培養結果により抗生物質の感受性がわかります。
AMPC(アモキシシリン、商品名:サワシリンなど),CFPN(セフカペンピボキシル、商品名:フロモックス®)などの略号は一つ一つ抗生物質を表しています。

略号の右横にあるのが感受性です。Sは有効、抗生物質が効くことが期待できます。このSの判定となった抗生物質の中から治療薬を選択します。Rは抵抗性、抗生物質が効かないことが予想されます。Iはその中間です。他に選択肢があれば他の薬剤を選択します。

元々呉市医師会の検査センターでは細菌培養検査は点滴などの抗生物質の感受性検査を主に行っていましたが、皮膚科の開業医ではなかなか点滴での治療は困難なことが多く検査しても余り意味がありませんでした。内服薬を中心とした培養検査ができないか検査センターの方と相談の結果、写真の一覧のように内服薬を中心に検査してもらえることになりました。

細菌培養検査はいわば敵である細菌の弱点を知る手がかりになります。細菌培養検査を積極的に行うことで、平均治療期間が短くなっていると思います。

治療の継続

 

フロモックス®300mg分3投与 フロモックス®300mg分3投与 フロモックス®300mg分3投与
クラビット®500mg分1投与

この方の場合テーピングもなしでここまで改善しました。
適切な治療を行うことで感染がコントロールできれば手術することなく肉芽もなくなります。
爪の外側はまだ尖端まで爪が出ていませんが、痛みがないためこのまま伸ばすことが出来ると思いますので終診といたしました。

肉芽について

このような肉芽を取り除くために肉芽の切除をしたり、液体窒素による冷凍凝固をする先生もおられるようですが残念ながら再発することが多いようです。何故なら感染に伴い不良肉芽が形成されているため、感染がコントロールされなければ再度肉芽を生じてしまうからです。感染という原因の結果不良肉芽を生じるため、感染という原因が取り除かれていないので、再び不良肉芽を生じるということです。

少したとえはわかりにくいですが、局所の感染を火事に見立てると、肉芽は火事の副産物である煙のようなものです。その煙を追い払っても火事が消えていなければ煙はまた出てきます。火事を消さなければ意味がありません。肉芽の場合は感染を抑えなければ肉芽は何度でも繰り返してしまいます。

肉芽を切ったり、液体窒素による冷凍凝固を行う先生は、恐らく感染のコントロールの仕方がわからないので苦肉の策として行っている可能性が高いと思います。
陥入爪で肉芽形成でお困りの場合、培養検査をお勧めします。

手術について

手術は爪の断端が釣り針の返しのようになっている刺爪の状態で、なおかつ感染のコントロールが難しい場合にのみ行います。陥入爪では肉芽形成が著明な場合も多く、肉芽の下の爪甲断端が刺爪の状態か簡単には判断できないことが多いのが現実です。
当院では培養検査を併用し極力保存的治療を行い(手術を行わない治療のことです)、どうしても改善しない場合に手術を検討します。
肉芽形成があっても上の写真のように治る可能性が十分ありますので、必ず手術しなければ治らないわけではありません。

また教科書にある陥入爪の手術は通常爪を縦に切っていきますが断端に角ができるため再発することがあります。
手術する場合でも爪を形成剪刀という鋏のカーブを使って船の舳先のように滑らかに角を作らない切り方を行うことで再発しないように切ることができます。
再発しても他院に行かれている場合はわかりませんが、今のところ再発・再手術になった患者さんは一人もおられません。
再発しない理由は、陥入爪の一番の問題になる断端の角がなくなることです。爪が伸びた際に角があるとその角が皮膚に当たって傷を生じ感染を繰り返してしまいますが、船の舳先のようにカーブに切ってあれば爪甲が伸びても角がないため皮膚に傷をつけず感染の余地がなくなるからだと思います。

食事指導始めました。

陥入爪でお悩みの方の食生活に特徴的なパターンを見つけました。(多少の違いはありますが、ニキビやアトピー性皮膚炎も似たような食生活のパターがあります)
食生活を改善することで再発を予防することができるようになりました。
逆に言えば食事指導ができない病院に通っても治らないようです。
陥入爪が治らない場合や陥入爪を繰り返す場合、橋本クリニックを受診してみてください。

 

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