目次

帯状疱疹について

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症する病気です。水痘・帯状疱疹、ウイルスは初感染の場合水痘(水疱瘡)を発症し、水痘治癒後も何十年と神経に潜んでいます。その神経に潜んでいるウイルスが加齢や疲れ・ストレスなどを原因とした免疫力の低下により増殖を抑えきれなくなると再活性化することで神経に沿って炎症を起こし帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹は非常に痛いのが特徴で、帯状疱疹の水疱・皮疹は治癒しても帯状疱疹後神経痛という非常に強い痛みが残ることがあるのが特徴です。
詳しくはこちらをご覧ください。

◻︎『乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」』

特徴は生ワクチンで毒性を弱めた水痘ウイルスを接種するものです。生ワクチンのため免疫抑制状態にある人は接種できないため注意が必要です。(詳しくは注意点をご覧ください)
50歳以上の方で接種後5年間の帯状疱疹の発症予防効果(約70%)が認められます。時間と共に予防効果が減弱するため追加接種が必要となります(どのくらいの期間を空けて再接種するのが望ましいかは現在データがありません)。
(水痘・帯状疱疹ともに、完全に予防できるわけではありませんが、罹患しても症状が軽くてすむようです。)

ZOSTAVAX (帯状疱疹ワクチン)の臨床試験においては、プラセボと比6) べ50~59歳で69.8%の帯状疱疹発症に対する予防効果が認められた 。
また、60 歳以上における帯状疱疹ワクチン接種群とプラセボ群の帯状疱疹発症率は、それぞれ 5.42/1,000 人年及び 11.12/1,000 人年、PHN 発症率はそれぞれ 0.46/1,000 人年及び 1.38/1,000 人年であり、帯状疱疹発症率及びPHN 発症率は、プラセボ群より有意に低かった(p<0.001) 7) 。

6)  Schmader K.E. et al:Clin. Infect. Dis. 2012;54:922-928
7)  Oxman, M.N. et al.:N. Eng. J. Med. 2005;352:2271-2284

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」インタビューフォームより

・水痘(水疱瘡)の予防について

これまで水痘(水疱瘡)にり患したことがない方が水痘の患者さんと接触した場合、水痘は潜伏期間が長いため72時間以内にワクチンを接種すると水痘に罹患しにくくなるようです。通常水痘は一生に一度しか罹患しないため、これまで水痘にかかったことのある方は水痘の予防目的でワクチン接種の必要ありません。

保険がききませんので全額自己負担になります
当院では税込み1回7000円で行っております。1回で効果が期待できます。
ご希望の方はお気軽にお電話(0823-32-3000)にてご予約ください。
帯状疱疹ワクチンの接種は完全予約制とさせていただいております。
基本的にはご予約いただいた時点でワクチンを取り寄せるようにしておりますが、ワクチンの在庫があれば当日でも接種することができます。

・注意点

生ワクチン(弱毒化あるいは無毒化したウイルスを接種するもの)のため抗がん剤治療中やステロイドなどの免疫抑制剤投与中の免疫抑制状態の持病のある方は当院では接種できません(免疫抑制状態で生ワクチンを接種すると水痘に感染し重症化する可能性があるためです)。抗がん剤治療中やステロイドなどの免疫抑制剤投与中の免疫抑制状態の持病のある方は水痘に感染する心配のない不活化ワクチン「シングリックス®️」(1回22000円、2回必要)の接種をご検討ください。二つのワクチンの違いは二つのワクチンを比較したこちらをご覧ください。

□帯状疱疹ワクチン(シングリックス®️)

帯状疱疹ワクチン(シングリックス®︎)は帯状疱疹の予防ワクチンとして開発されたため、水痘の感染予防効果はないそうです。
特徴は生ワクチンである乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」』と異なり、不活化ワクチン(ウイルスは増殖できない状態のため感染の心配がありません)であり抗がん剤治療中やステロイドなどの免疫抑制剤投与中の免疫抑制状態の患者さんにも接種できることです。
更に帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の予防効果が高いこと(
添付文書によると97.16%)です。
保険がききませんので全額自己負担になります
当院では税込み1回22000円で行っております。計2回の接種が必要です。
1回目接種後2ヶ月後遅くとも6ヶ月後までに2回目の接種を行います(合計44000円かかります)
ご希望の方はお気軽にお電話(0823-32-3000)にてご予約ください。
帯状疱疹ワクチンに関しましては完全予約制とさせていただいております。
基本的にはご予約いただいた時点でワクチンを取り寄せるようにしておりますが、ワクチンの在庫があれば当日でも接種することができます。
抗がん剤治療中・ステロイドや免疫抑制剤投与中などの免疫抑制状態で水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ワクチンの接種ができない方でも、シングリックス®︎は不活化ワクチンのため接種することができます。二つのワクチンの違いは二つのワクチンを比較したこちらをご覧ください。

 

□2つの帯状疱疹ワクチンの違い

橋本クリニックでは自費診療で帯状疱疹の予防ワクチンの接種を行っています。帯状疱疹の予防ワクチンには二種類あります一つは生ワクチン(毒性の少ないウイルスを利用したワクチン)で乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」、もう一つは不活化ワクチン(ウイルスの一部だけを利用したワクチンで感染性はない)で乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®️」です。費用や効果に違いがありますので、その違いを一覧にまとめてみました。

乾燥弱毒生水痘ワクチン
「ビケン」®

乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン
シングリックス®

費用 7000円(税込)

1回22000円(税込)
計2回44000円(税込)

接種方法

1回:皮下注射

2回:筋肉注射
(2ヶ月間隔をあけて遅くとも6ヶ月以内に接種)

全身副反応

<1%

11%(筋肉痛が多い)

接種できない方 ・37.5℃以上の発熱中の方
・抗がん剤、ステロイドなどの免疫抑制剤を投与中の方
・HIV感染などの免疫抑制状態の方
・妊娠中
・本剤でアナフィラキシーを起こしたことのある方
・37.5℃以上の発熱中の方
・本剤でアナフィラキシーを起こしたことのある方
予防効果

50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防に対する一変承認時資料等の概要」ー資料2-1乾燥弱毒生水痘ワクチン-厚生労働省の資料よりグラフ化
(現在元データは閲覧できなくなっています。)

「 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンシングリックス®️筋注用主要な臨床試験成績等の概要」-厚生労働省
の資料よりグラフ化

 

帯状疱疹の発症率

50歳以上 ものに対する帯状疱疹の予防に対する一変承認時資料等の概要」ー資料2-1乾燥弱毒生水痘ワクチン-厚生労働省
より引用

 

帯状疱疹後神経痛の発症率

 

「 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン シングリックス®️筋注用主要な臨床試験成績等の概要」-厚生労働省
より引用

二つのワクチンを直接比較した資料はありませんが、上記二つのグラフの比較より効果の差は明らかに乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」の方が優れています。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®予防効果は接種当初から約半分程度で年数が経つ毎に予防効果が減弱するため、繰り返し接種をする必要があります(どの程度の年数での接種が適切かの指標は今のところありません)。一方乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」は、「 50歳以上の被験者を対象にした国際共同 第Ⅲ相臨床試験(日本人を含む)におけるPNHの発症」のグラフに示されるように、1クール2回の接種を行うと少なくとも9年は効果が持続することが示されています。帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」は「初回接種後9年間の細胞性・液性免疫応答」のグラフより、年数が経っても細胞性免疫・液性免疫の効果がそれほど減弱しないことがわかります。そのため乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」は、乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®のように追加接種は必要ない可能性が高いと考えられます。
まとめ 橋本クリニックでは基本的に費用はかかりますが予防効果の高い乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」をお勧めします。アメリカでは乾燥組み替え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」のみ接種されています。費用を抑えたい方、副作用を避けたい方、1回で接種を終えたい方は、予防効果(最大7割程度)・予防期間(5年程度)に限りがあることをご理解いただいた上で、乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®をご検討ください。

帯状疱疹のワクチンのご希望の方はお気軽にお電話(0823-32-3000)にてご予約ください。
完全予約制とさせていただいております。
基本的にはご予約いただいた時点でワクチンを取り寄せるようにしておりますが、ワクチンの在庫があれば当日でも接種することができます。

 

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