伝染性膿痂疹(飛び火・とびひ)とは細菌感染により引き起こされる疾患です。
原因菌は主にS.aureusu(Staphylococcus aureus:黄色ブドウ球菌)によるものとS.pyogenes(Streptococcus pyogenes化膿レンサ球菌(かのうレンサきゅうきん))によるものがあります。S.aureusu(Staphylococcus aureus:黄色ブドウ球菌)によるものは水疱を生じることが多く、破れてびらん(傷)になることがあります。S.pyogenes(Streptococcus pyogenes化膿レンサ球菌(かのうレンサきゅうきん))によるものは痂疲・瘡蓋状になることが多いのが特徴です。

黄色ブドウ球菌による伝染性膿痂疹(飛び火・とびひ)

他院皮膚科(残念なことに皮膚科専門医です)にて足白癬として外用治療中水疱を生じるようになったそうです。
白癬菌(水虫のことです)による悪化として抗真菌剤の内服が出たそうですがみるみる症状が悪化するため当院を受診されました。
一部痂疲を認めますが、全体的に水疱を伴う皮疹です。皮疹の範囲が広く急速に増悪する可能性も考えられるため細菌培養に提出するとともに、抗生物質にて治療を開始いたしました。

初診時(2020/7/12)

伝染性膿痂疹の診断にて念のため細菌培養に提出するとともに、少しでも早く治すために抗生物質フロモックス®の治療を開始しました。

細菌培養結果

Staphylococcus aureus
全て感受性がありました。

AMPCなどの記号がそれぞれ抗生物質の略称で、Sが感受性あり(抗生物質が効くということ)、Rが感受性なし(抗生物質が効かないということ)ですが、全てSでした。

 

再診時(2020/7/18)

症状が劇的に改善していることから抗生物質の内服なしで経過観察を行いました。

再診時2020/7/26

抗生物質の内服なしで経過観察を行っていますが、改善しています。

再診時2020/8/9

皮膚がほぼ正常化したため終診としました。

細菌培養の結果からみるとほとんどの抗生物質が有効だったため細菌培養の必要はありませんでしたが、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による伝染性膿痂疹のこともありますので、当院では比較的皮疹の範囲が広い場合には初診時に細菌培養を行うようにしています。
また通常は2回目の程度まで再診して頂いた状態で終診にすることが多いのですが、この患者さんは他院での治療中に悪化したこともあり不安が強かったため通院の継続を希望されました。

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