目次 化膿性爪囲炎 |
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手の爪が痛いあるいは爪の周りがズキズキ痛い場合や爪の間が痛い(爪の横を押すと痛い)ときには爪甲周囲に細菌感染が起こっている可能性が高いと思います。化膿性爪囲炎・爪周囲炎という状態です。原因は小さな傷から細菌(ばい菌)が入り込み増殖し感染してしまうことです。赤みだけであれば抗生物質内服で経過観察を行いますが、下の写真の↓のように白い部分があるときには針で刺して膿を出します。白いところに針を刺しても通常は痛くはありません。痛覚のない表皮だけで膿をため込んでいるため、爪を切るのと同じで表皮を切っても痛くはないからです。(膿を押し出す際の圧迫では少しだけ痛みを感じることがあります) 膿がしっかりたまっているので押さえると圧が高まるため痛みを生じますが、穿刺して膿を出すことで圧がかからなくなるため痛みが速やかに改善します。一度針で穿刺して排膿すると膿の出口が出来るため、膿がたまりにくくなります。写真で爪の横の白い部分が膿がたまったものです。 爪のまわりが赤くなった部分に白いところを見つけると、針で膿が出せるとわかります。その後の治療としては抗生物質の内服をして頂きます。白いところが無ければ膿は出ないので穿刺(針で刺すこと)は行いません。膿を出せると比較的早く治ります。 このように膿がたまっている場合、穿刺と抗生物質内服で改善することが大半ですが、治りにくい場合には細菌培養に提出し、細菌の種類と有効な抗生物質を同定します。 |
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黄色の矢印(↓)で指し示している部分を針で刺しました。 針で刺しただけでは膿は出ませんでしたが、押さえることで膿が出てきました。 抗生物質を処方しました。 |
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黄色の矢印(↓)で指し示している部分を針で刺しました。 針で刺しただけでは膿は出ませんでしたが、押さえることで膿が出てきました。 抗生物質を処方しました。 |
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黄色の矢印(↓)で指し示している部分を針で刺しました。 穿刺(針で刺すこと)をすると押さえなくても膿が噴出してきました。 フロモックス®を内服していただき3日後には周囲の赤みも消えています。 |
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黄色の矢印(↑)で指し示している部分を針で刺しました。 |
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ホワイトバランスがずれているため暗い画像ですが、穿刺排膿を行いました。穿刺しただけでは膿は出てきませんでしたが穿刺部位を広げることで排膿がありました。
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右手の2指と4指に同時に感染を来しているので、偶然細菌が入り込んだ可能性よりもベースに生活習慣の影響で免疫に何らかの問題が生じちえる可能性が考えられます。 |
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爪の横に白い部分が認められます。 |
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化膿性爪囲炎を繰り返す場合、食生活が関与している可能性があります。橋本クリニックでは感染を予防出来るかもしれない食事指導を行うことが出来ますので、化膿性爪囲炎を繰り返す方は一度橋本クリニックを受診してみてください。
陥入爪同じ爪周囲の感染でも、下の写真のように足の親指に深爪等により爪が食い込んで爪のまわりに肉が盛り上がってくることがあります。陥入爪といわれる状態です。陥入爪の詳細をご覧になりたい方は下の写真をクリックしていただくかこちらをご参照ください。当院では極力爪甲切除をすることなく治癒を目指しています。基本的に患者さんからの要望がない限り、爪甲の切除は行っていません。下の写真のように肉芽が大きくても爪を切ることなく治療可能です。ポイントは感受性のある(細菌に対して有効な)抗生物質の選択(細菌培養という検査によって抗生物質を選択します)と食事指導です。細菌培養も食事指導もない病院を受診されているのであれば一度病院を代わられても良いかもしれません。 |
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様々な爪疾患各画像をクリックすると各疾患の説明を見ることができます。
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