爪甲剥離症

爪が白く浮いてしまうことがあります。
爪が白くなる場合爪白癬(爪水虫)が一番に疑われますが、実は爪が白くなって来院されて爪白癬と診断できるのは約半数です。爪が白くなっても爪白癬ではない疾患の一つが爪甲剥離症という病気です。
爪甲は爪母といわれる爪の根本で作られて伸びていきますが、爪の全てが爪母で作られているわけではありません。爪の3分の1は爪床で作られ、残り3分2が爪母で作られて爪を伸ばしています。爪甲剥離症とはその爪床で作られた爪と爪母で作られた爪が何らかの原因により剥がれてしまうことで発症します。
診断は爪白癬やカンジダ(カビの一種です)によるものでないことを顕微鏡による検査・鏡検によって確認します。
患部が爪が剥離した部分のため、剥がれている部分の爪を切って調べるようにしています。

白い部分を爪甲の尖端からニッパーで切り込んでいきます。
右側の写真黄色の→の部分のように白い部分を露出させ、顕微鏡の検査を行います。
白癬菌が見つかれば爪白癬、カンジダが見つかれば爪カンジダ症、カンジダがみつからなければ特発性(原因不明・私は生活習慣が原因だと疑っています)の爪甲剥離症と診断できます。
爪甲を切り込む目的は、患部の爪の一部を検査に出せるようになることと、患部に薬を塗りやすくなることです。爪は浮いているので切っても痛くはありません。

ステロイド・フルメタローション®(爪甲剥離症の保険適応はありません。)の外用を行いました。(ローションタイプの中でもアルコールタイプでサラッとしているため隙間にしみ込んで患部に届きやすいためよく使います。トロッとしたローションはしみ込みにくいため患部に届かず爪甲剥離症には使いにくいです。)
左から2週間後、3か月後、5か月後です。綺麗に治っています。
ステロイド外用で治っていることからも爪白癬や爪カンジダ症ではないことがわかります(爪白癬・爪カンジダ症いずれも感染症のためステロイド外用をすると通常悪化するはずです)

爪甲を写真のように切り込まない場合、尖端からステロイド剤をしみ込ませるとよく効きます。

爪白癬を否定するためにも皮膚科の受診がお勧めですが、どうしても皮膚科の受診が難しい場合、ご自分で爪甲を切除し、患部を露出させることが出来ればステロイド外用で治る可能性があります。
自己責任にはなりますが、ご自分で爪甲切除し患部を露出させ、市販されているステロイド剤を外用してみるのも選択肢の一つです。その場合上記のようなステロイドのローションは市販されていないと思いますので、爪床を露出させた患部にステロイドを塗って絆創膏で保護すると治るかもしれません。軟膏あるいはクリームを外用することになると思います。軟膏あるいはクリームを爪に直接塗って絆創膏などで保護しておくと効果的です。もし悪化するようなら爪白癬あるいは爪カンジダ症のいずれかが考えられます。万が一悪化する場合には、ただちにステロイドの外用は中止し、必ず皮膚科を受診するようにしてみてください。(私は最初から皮膚科を受診される方がよいと思います)

 

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