知り合いの3歳のお子さんが逆流性食道炎疑いでネキシウム®︎処方を開始しました。元々皮膚疾患で受診していただいていましたが、食事指導の話ない間で逆流性食道炎が疑われることがわかりました。今回はその話を書いてみたいと思います。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)は以下の症状がみられることが多いです。
(理由などは「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」をご覧ください。)
他覚症状
- 昼食・夕食は少量だけ食べられる
- 食事はしないがお菓子は食べることができる
- 食後横になれない、あるいは食後横にならない
- 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
- 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っているあるいは体重が増えない
知り合いの3才のお子さんは以下の〇印の症状がありました。
×昼食・夕食は少量だけ食べられる(全体的に余り食事を多くは摂られないことが多く、特に朝が少ないということははっきりしないそうです。)
◯お菓子は食べる
×横にならない(横にはなるそうです)
〇口の中でモゴモゴさせる。
◯体重が増えない
私の見つけた小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の症状のうち3つは当てはまっていました。そのほか以下の症状がありました。
夜咳き込むことがある。
病院にはかかっていて咳止めの薬を使うと抑えられるそうです。咳止めが有効かもしれないため逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)との関連は定かではありませんが、胃液が喉元まで逆流するとせき込むこともあるようです。もしかしたら夜せき込むことも収まるかもしれません。
PPI(プロトンポンプ阻害薬)でおさまれば逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の可能性がかなり高いと思います。
治療
PPI(プロトンポンプ阻害薬)であるネキシウム®内服を処方しました。
この患者さんがよくなるかはわかりませんが、これまでの症状からはかなり疑わしいと思います。
内服の結果がわかりましたら改めて掲載したいと思います。
一番大切なことは「疑うこと!」
恐らく誰にも気づかれないまま、食事で苦労している小さなお子さんはたくさんおられると思います。
お母さんもお菓子は食べるのに食事の量が増えないので困っておられると思いますし、口の中でモゴモゴしていると遊んでいると誤解して怒ってしまわれる親御さんもおられると思います。場合によってはお菓子のせいで食事がとれないと思われているかもしれません。
もしかしたらその症状は本人にとっては辛い病気なのかもしれません。
「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」の症状をご確認いただき、疑わしい症状があれば小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)を診てもらえる病院を受診するようにしてみてください。あるいは主治医の先生に試しに処方してみてくださいと相談されてもよいかもしれません。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の患者さんは、私の周りのお子さんに何人もおられます。
偶然私の周りのお子さんに多いとは思えませんので、想像以上に小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の患者さんが物凄く多いのかもしれません。今小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の診断基準あるいは判断基準を検討しているところです。
改めて小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の啓発活動を続けていきたいと思います。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の一覧はこちらをごらんください。
この記事へのコメントはありません。