広島市から小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の疑いの患者さんに1週間で再診していただきました。
結果は多少よくなった程度でした。
娘たちのようにPPI(プロトンポンプ阻害薬)が劇的に効くということはありませんでした。
吐き気が内服前が10とすると9になったそうです。
念のため逆流性食道炎の問診でチェックしてみました。
すると前回19点だった点数が24点に上がってしまいました。
もしかしたら逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)ではないのかもしれません。ただ吐き気が内服前10が9になったそうので、ネキシウム®内服は多少は効果があるのかもしれません。
一つ効果と言えるのは食欲が出たそうです。内服前までお腹が空かなかったらしく、お菓子すら食べることがなかったそうですが、ネキシウム®内服後はお菓子は食べられるようになられたそうです。ただ薬を内服しても一度にたくさん食べるのは難しいらしく、小分けで食べるようにされているそうです。
この点が娘たちとは少し違いそうです。というのも娘たちは食事はできないもののお菓子だけは食べていたので、病気と認識はしにくかったのですが、体重が減ったことで私が逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)と気づいて薬を飲んで改善しました。娘たちの場合PPI(プロトンポンプ阻害薬)を飲むと劇的に改善し、内服後2~3時間で普通に食事をできるようになりました。
この患者さんも娘たちのように劇的に改善するかと思いましたが、今回はうまくいきませんでした。
食欲は出たこととわずかですが吐き気がおさまっていることから、劇的とは言えないまでも効果はあると思いますので引き続き処方しました。PPI(プロトンポンプ阻害薬)が特効薬のように効かないので、いつも皮膚科の患者さんにお伝えしている食事指導を提案してみました。お話をしているうちにいくつか思い当たることがあるとおっしゃったので改善が期待できるかもしれません。
再診していただければ改めてブログに書きたいと思います。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の詳しくについてはこちらをご参照ください。
小児の気づいた自覚症状、他覚症状は以下の通りです。今回この患者さんにはお伺いできまんでしたが、次回受診していただけた際には以下のチェックもしてみたいと思います。
自覚症状
- 吐き気が強くて朝食が食べられない
(恐らく夜横になって寝ているため、胃液が食道に逆流し食道炎が起こっているため違和感がある可能性が高いため、朝食を食べられない) - 横になると吐き気が強くなる(横になると胃液が食道に流れこむため)
- 酸っぱいものが上がってくる(胃液が食道まで逆流してタイミングによっては口元まで胃液が逆流する可能性が考えられます)
- いっぱい食べると吐き気がする(いっぱい食べると胃の満杯になり、胃液が逆流することが考えられます)
- リクライニングシートに寝るように頭を上げて寝ると吐き気が弱まる(胃液が食道に逆流しにくいため)
- 吐き気があり腹痛の訴えはあるが、嘔吐はない
(恐らく食道に炎症が起こっているため腹痛や吐き気を感じてしまうが、嘔吐反射や胃の内圧が高まっているわけではないため嘔吐はしない) - 食欲がない、お腹が空かない(胃液が逆流して食道に炎症が起こっているため食欲がわかないようです)
他覚症状(症状をうまく言葉にできない1~4才の参考にしてみてください)
- 昼食・夕食は少量だけ食べられる
(恐らく昼間は横にならないため、食道に炎症があっても空腹もあり何とか食べられる) - 食事はしないがお菓子は食べることができる
(恐らくお腹は空くため、少量で満足感が得られるお菓子は食べる。お菓子だと量が少ないため胃液がそれほどでないため逆流が起こらないが、食事をすると胃液が多量に出ることで逆流が起こるため食事はしたくない) - 食後横になれない、あるいは食後横にならない
(恐らく食後横になると食べた物を消化するために分泌された胃液が食道に逆流するため、食道炎がひどくなるのを経験的にわかるようになるため横にならなくなる) - 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
(恐らく食事を飲み込むと胃液が食道に逆流するようになるため辛くなり、食事が進むにつれて次第に飲み込めなくなる) - 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っているあるいは体重が増えない
(たくさん食べると胃液が逆流することで辛くなるため無意識のうちに食べる量を辛くならない量に加減してしまうため。自覚症状である食欲がわかない結果体重が減るのかもしれません)
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の一覧はこちらをごらんください。
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