昨日「元気(長男、4才)が1.5Kg減」の記事を書きました。
ご心配いただかないように、今は元気になっていることを書きました。
ある薬を飲ませたことで数時間で改善し、パクパクご飯を食べるようになりました。
逆流性食道炎
元気(長男、4才)の病気で疑ったのは逆流性食道炎です。
逆流性食道炎とは胃液が食道に逆流することで、食道に炎症を起こすことで発症します。
本来は胃液が食道に逆流しないように下部食道括約筋がしっかりしまって、通常は胃液が逆流することはありませんが、この筋肉の働きが弱いと締め付けることができず胃液が逆流してしまいます。食道の粘膜の防御機能は胃壁ほど強くないため、いわば消化されてしまってただれてしまうことがあります。
元気の症状
- 酸っぱいものが上がってくる(胃液が食道まで逆流してタイミングによっては口元まで胃液が逆流する可能性が考えられます)
- いっぱい食べると吐き気がする(いっぱい食べると胃の満杯になり、胃液が逆流することが考えられます)
- 横になると吐き気が強くなる(横になると胃液が食道に流れこむため)
- リクライニングシートに寝るように頭を上げて寝ると吐き気が弱まる(胃液が食道に逆流しにくいため)
以上の状況証拠から逆流性食道炎を疑い、治療を開始しました。
治療
胃酸の働きを弱めることで症状を和らげることができます。
よく聞くのはPPIという種類の薬で、調べてみるとネキシウム®の子供用がありましたので取り寄せてお昼過ぎに飲ませてみました。
診断は正しかったようで、夕食はパクパク食べることができました。
症状が全くなくなったので失念し、翌日飲ませるのを忘れていると前回飲ませてから27時間経った頃に「オエオエする」と言い出しました。ちょうど薬が切れるころのはずです。間違いなく薬が効いています。
その後も薬を飲ませ続けていますが、しっかりご飯を食べてくれています。
体重も少しずつですが増えてきました。
追記:治療開始後、9日で0.5Kgくらい戻りました(排便がなかったため参考記録のようなですが・・・)
小児の逆流性食道炎
小さいお子さんで、むかむかするとか、ご飯食べたくないとかいうお子さんの一定数は逆流性食道炎の可能性が考えられます。
長男を病院に連れていこうと思わなかった一因に、お菓子は食べることができたからです。今から考えれば少量ずつ食べるお菓子なら胃液が逆流しにくく、気持ち悪くなりにくいのかもしれません。このお菓子が病気を隠してしまっていました。
突然お菓子しか食べなくなったお子さんは、もしかしたら小児の逆流性食道炎の可能性が考えられます。
横になると不機嫌になるお子さんも小児の逆流性食道炎かもしれません。少し上体を起こした状態(リクライニング状態)で寝かせてあげることで寝付くことができるのであれば、小児の逆流性食道炎の可能性は高いと思います。
いっぱい食べると気持ち悪くなるといって少量ずつしか食べないのも、もしかしたらおなか一杯食べると胃液が食道に逆流して気持ち悪くなるのかもしれません。
これらの症状があれば、小児でも逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎のお薬を処方してもらえる病院を受診してみてください。
あらかじめお電話で処方していただけるか確認されるとよいかもしれません。
橋本クリニックでは1歳以上のお子さんへのお薬の処方は可能です。
お薬で改善しない場合には別の問題の可能性が考えられますので、総合病院小児科へ紹介する場合があることをご了承ください。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の一覧はこちらをごらんください。
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