先日「3歳の逆流性食道炎疑いのお子さんに来院していただきました!」に書いた患者さんに再診していただきました。
治療前には以下の症状がありました。
(理由などは「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」をご覧ください。)
他覚症状
- 昼食・夕食は少量だけ食べられる
- 食事はしないがお菓子は食べることができる
- 食後横になれない、あるいは食後横にならない
- 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
- 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っているあるいは体重が増えない
1年ほど体重がほとんど増えていないとのことでした。
口の中でモゴモゴさせて飲み込まないという症状もありました。
再診時にお伺いすると、食事の食べる量が増えたそうです。
2回再診していただいたのですが、1回目の再診時に食べるようになったとお伺いしました。
2回目の再診時には体重が増えてきたとお伺いしました。
本当に良かったです。
ただし昼食、夕食の食べる量が増えてきたそうですが、やはり朝食はあまり食べられないそうです。
そこで薬の内服を朝食後から夕食後に変更してもらうことにしました。結果は次回お伺いする予定です。
再診時にお伺いしても、余り横になることはないそうです。もしかしたらこれまで横になると気持ち悪くなるので横にならないで過ごす癖がついているため、調子がよくなっても横にならないのかもしれません。
いずれにしてもネキシウム®内服で、口の中でモゴモゴさせなくなり、食事量が増え体重が増えました。少なくとも胃液が何らかの影響を及ぼしていたことは間違いなさそうです。
今回は皮膚病を治すための食事指導の一環で余り食事を食べられないということで逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)を疑い、PPI(プロトンポンプ阻害薬)を処方して症状が改善しました。いわば偶然見つかった逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)だと思います。ちなみに皮膚病も改善しつつあります。
引き続き処方を継続しています。
一番大切なことは「疑うこと!」
恐らく誰にも気づかれないまま、食事で苦労している小さなお子さんはたくさんおられると思います。
お母さんもお菓子は食べるのに食事の量が増えないので困っておられると思いますし、口の中でモゴモゴしていると怒ってしまっておられる親御さんもおられると思います。場合によってはお菓子のせいで食事がとれないと思われているかもしれません。
もしかしたらその症状は病気なのかもしれません。
「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」の症状をご確認いただき、疑わしい症状があれば小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)を診てもらえる病院を受診するようにしてみてください。あるいは主治医の先生に試しに処方してみてくださいと相談されてもよいかもしれません。
このお子さんで皮膚科の疾患の食事指導をしている際に小児の逆流性食道炎を疑った患者さんは3人になりました。3人ともお薬で改善しています。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の一覧はこちらをごらんください。
この記事へのコメントはありません。