突然音が二重に聞こえる、耳が塞がった感じがした場合
皮膚科なのにこんなタイトルで書いているのは家内に突然このような症状が出たからです。突然日曜日の夜に音が二重に聞こえる。耳が塞がった感じがするということを言い始めました。以前痩せた時に発症した耳管開放症(痩せたことにより脂肪が減り、鼻と耳をつなぐ耳管という管が開くことで鼻と耳が繋がって鼻から音が耳に抜けて不快な状態になる病気です)かと思って朝まで様子をみていましたが、症状が改善しないためネットで検索してみました。
検索したのは突発性難聴です。
・音が二重に聞こえる
・耳が塞がった感じがする(耳閉感)
が特徴のようです。症状が当てはまります。
突発性難聴
内耳などに障害をきたした感音性難聴の一種で、原因不明の難聴として定義された疾患です。(参考:ウィキペディア突発性難聴)
内耳循環障害説、ウイルス原因説などがあります。ただし通常再発がないため、内耳循環障害説では説明がつきにくく、ウイルス原因説が有力なようです。
私は全く違う仮説を考えています。
自己免疫説(仮説)
私は内耳の細胞に対する自己免疫説を支持します。自己免疫とは本来なら攻撃すべきではない自己細胞に対して免疫が働いてしまう疾患です。本来免疫はウイルスや細菌、腫瘍細胞など自分の細胞(自己細胞)ではない非自己細胞に対して、攻撃を行う仕組みです。正常な免疫には自分の細胞は攻撃しないように、攻撃対象から取り除く仕組みがありますが、何らかの原因でその自己免疫を取り除く仕組みがうまく働かないと発症してしまうようです。自己免疫を引き起こすトリガー・きっかけは脱水やストレス、寝不足などと並んでウイルス感染が関与している可能性は考えられます。つまり病態は自己免疫で、その原因の一つがウイルス感染ではないかと私は疑っています。
内耳細胞に対する自己免疫説を支持する理由はステロイドが著効するからです。内耳を攻撃してしまう免疫をしっかり抑えるために治療はステロイド剤を内服することになるようです。
皮膚科では自己免疫による病気をよく見かけるため、自己免疫を避ける生活を改めて気をつけるように家内に提案しました。具体的には水分を摂っていなかったので水分を摂ってもらうことにしました。
家内の経過
症状から突発性難聴が疑われたため、すぐににし耳鼻科を受診するようにしました。突発性難聴は治療が早ければ早いほど治りが良いからです。
受診したところ問診票に症状を書いていたこともあり、すぐに聴力検査をすることになりました。家内は聞こえているつもりだったらしいですが、聴力が落ちていたそうです。
診断としてははっきりとはしないものの突発性難聴の可能性があるとのことで、突発性難聴として治療することになりました。ステロイドの内服です。
結果、飲み始めて3・4時間で効果が出始め、翌日にはかなり症状が改善しました。
現在治療開始後2日目ですが、音が二重に聞こえるなどの症状はほとんどなくなったそうです。
特に電子レンジの音のような電子音が耳に響いて辛かったそうですが、幸いステロイド内服で治ったようです。
やはり突発性難聴だったようです。
早く耳鼻科を受診したことがよかったと思います。
突然音が二重に聞こえる、耳が塞がった感じがした場合
突然音が二重に聞こえる、耳が塞がった感じがした場合、とにかく早く耳鼻科を受診するようにしてみてください。発症が日曜、祝日で耳鼻科があいてない場合は週明けまで待つのも仕方ないかもしれませんが、もし耳鼻科の先生の当番医などあれば日曜、祝日の受診も考えてみても良いのかもしれません。
特に休み明けまで時間があいてしまう年末年始、ゴールデンウィークなど長期のお休みの場合、突発性難聴をみてもらえる救急病院や耳鼻科の先生の登板医を探される方が良いかもしれません。少なくとも休み明けには必ず受診されることをお勧めします。何故なら早期に治療をしないと症状が固定してしまい、治療に反応しにくくなるからです。
この記事へのコメントはありません。