先日5歳の逆流性食道炎の患者さんにお越しいただきました。
主訴は咽頭痛・心窩部痛、主に咽頭痛でした。
耳鼻科に行かれたそうですがファイバーで見てもらっても喉には異常がなかったそうです。
喉は痛いけど喉に症状がないため困っておられたそうです。
どこに相談すれば良いかわからずネットを調べられたところ橋本クリニックの小児の逆流性食道炎のホームページがヒットしたそうです。橋本クリニックを受診していただいたこともある患者さんでしたが、畑違いに見える皮膚科というところに戸惑いがあったそうです。皮膚科でしょ!?と。
ただ息子や娘のエピソードも見ていただいたらしく、半信半疑ながらお越しいただいたそうです。
元々の患者さんに偶然小児の逆流性食道炎のホームページを見つけてお越しいただいたのは初めての経験なので少し嬉しく思いました。
主訴は咽頭痛・心窩部痛ですが、私の認識している小児の逆流性食道炎の症状5全てに当てはまりました。
私の認識している小児の逆流性食道炎の症状を抜粋します。これらの症状の起こる理由は小児の逆流性食道炎のホームページをご覧ください。
- 昼食・夕食は少量だけ食べられる
- 食事は食べられないがお菓子は食べることができる
- 食後横になれない、あるいは食後横にならない
- 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
- 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っているあるいは体重が増えない
今回全て当てはまりましたが3つ程度当てはまればかなりの確率で逆流性食道炎の可能性が高いのではないかと考えています。
この患者さんはお菓子は食べるものの、食事はあまり取らず、お米を少量食べるだけだったそうです。
口の中でモゴモゴさせて飲み込まないということもあったようです。体重も1ヶ月で1Kgほど減ってしまったそうです。
お菓子を食べていたため元気(長男、幼稚園年中)の逆流性食道炎の診断が遅れたように、この患者さんもお菓子は食べていたため体重が減るほど重篤な状態だとは思えなかったそうです。(お恥ずかしながら私自身、息子がお菓子は食べていたので本当に病気だとは全く疑っていませんでした)
ネキシウム®︎を飲んでみてもらったところ3日で食事量が一気に増え、朝ごはんも食べることができるようになったそうです。口の中のモゴモゴも減ったそうです。ネキシウム®︎が効いていそうなので少なくとも胃液が何らかの悪化因子だと思われます。
残念ながら3日では咽頭痛は消失はしなかったそうですが、痛みが少し改善したそうです。
あくまでも類推ですが、もしかしたら咽頭痛は逆流性食道炎で食道の炎症で食道がただれたことの放散痛(本来痛みの起こっている部位とは全く異なる部位に痛みを感じること)だったのかもしれません。確定診断には胃カメラをすることになるのかもしれませんが、ネキシウム®︎で症状が改善していることもあり胃カメラをするほどのことはないのではないかと考えています。
(胃液が口元まで上がってきて咽頭に炎症が起こる可能性も否定できませんが、咽頭に炎症があれば耳鼻科の先生のカメラで所見があるのではないかと思い、否定的だと私は考えています)
咽頭痛が3日では改善しないのは、食道がただれて炎症が起こっているとその炎症がおさままるまでにしばらく時間がかかるのではないかと思います。恐らく1・2週間で痛みも消失するのではないかと思います。
ご家族のご都合により近日中の再診は難しいそうですが、もし再診があれば追加で掲載したいと思います。
お子さんに上記症状があれば小児の逆流性食道炎を疑ってみてください。
小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)のブログ一覧はこちらをごらんください。
この記事へのコメントはありません。