広島から4才の逆流性食道炎疑いの患者さんに再診していただきました。

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先日お越しいただいた「広島から4才の逆流性食道炎疑いの患者さんにお越しいただきました。」にお書きした患者さんに再診していただきました。結論を書くと残念ながら改善しませんでした。というのもお母さんが色々工夫されたそうですが、ネキシウム®が飲めなかったそうです。そのため症状はか会っていません。そのことを書いていきたいと思います。

4才のお子さんの症状等

詳しくは「広島から4才の逆流性食道炎疑いの患者さんにお越しいただきました。」をご覧いただければと思いますが、簡単におさらいです。
当院の「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」のホームページブログをご覧いただいてご来院いただきました。
耳鼻科・小児科を受診されたそうですが、原因がはっきりせず偏食ということで発達障害が疑われたそうです。

お子さんの症状は「小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)」のホームページに記載している私が提唱する小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)の5つの他覚症状のうち以下の3つに当てはまります。

他覚症状
  • 食事はしないがお菓子は食べることができる(チョコやアイスなど)
  • 食べ物を口の中でモゴモゴさせて飲み込まない
  • 嘔吐・発熱などの症状はなく元気なのに体重が減っている(3週間で1Kg)

ネキシウム®内服を処方しました。

お薬が飲めない

再診していただいたのですが、お母さんが申し訳なさそうにおっしゃいます。実は飲めていないんですと。
詳しくお伺いすると少しは飲んでくれても途中で嫌がってしまうそうです。ゼリーに入れて飲ませようとすると嫌がって、今まで食べていたゼリーまで食べなくなってしまったそうです。チョコレートアイスなども試してもらったそうですが、残念ながら無理だったそうです。

再診していただいたのが土曜日だったためメーカーにも問い合わせすることが出来ず、思いつく工夫をお伝えして継続していただくようにしました。
今卸さんを通してメーカーに問い合わせ中で返事待ちの状態です。

元気(長男、幼稚園年中)でお試し

小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)に気づくきっかけになった元気(長男、幼稚園年中)は今でも時々薬を飲んでいます。調子よく食事をとることもあるのですが、食事量が減っている時には胃液がこみあげてくるのかもしれないと考えネキシウム®を飲ませると食事をするようになります。ネキシウム®を飲ませるとお腹空いた!ということが多いので、少なくとも元気(長男、幼稚園年中)には効いているようです。

幸い元気(長男、幼稚園年中)は薬を嫌がらずに飲んでくれるので、飲ませる苦労をすることがありません(薬を飲まないと入院して点滴することになるよと伝えているからかもしれませんが・・・)が今回お友達のために実験させてと伝えると引き受けてくれました。
ちなみに息子は水に溶くのを嫌がって薬を直接口にいれて水で流し込みます。(口の中に残る可能性があるため推奨はできませんが息子はこのような飲み方を好みます)

結果(あくまでも元気(長男、幼稚園年中)はということですが)

×ゼリーを試してみました。
すぐに嫌がりました。
舐めてみると何故か苦くなりました。特に後味がいけないとは家内です。
ゼリーはやめておく方がよさそうです。

〇牛乳
牛乳は普通に飲んでくれました。
舐めてみたらわずかに苦味がある程度でした。
牛乳はありかもしれません。

△ヨーグルト
少しなら混ぜても大丈夫ですが、ある程度の量が入るとダメみたいです。
舐めてみると少し苦くなりました。
薬の量が多いので厳しいですね。

あくまでもメーカーに返事までの苦肉の策です。(メーカーから水以外はダメですと言われることも想定しての実験です。どんな形にしろ飲めないと効果が期待できないため、推奨はされない飲み方であっても何とか口にできそうな組み合わせを探そうと考えています)
危険のない範囲でこれからも色々ためしてみようと思います。
ネキシウム®のQ&Aでは
・水以外は承認された飲み方ではないということからお勧めしないということ。
・腸溶剤(アルカリ性の腸液で溶けるように設計されている)ことから、アルカリ性の液に溶かすことは避けるように
ということが書いてあります。アルカリ性の液に溶かすと効果が減弱する可能性があるようです。

今後の検討課題

何度かに分けて飲んでみるとよいのではないかと考えています。
3回程度に分割して飲んでみてもらうことを考えています。(ネキシウム®の顆粒、お子さん用にしては量が多いんです)

卵焼きに入れて食べてもらうことを検討しています。熱による耐性をメーカーに問い合わせてみたいと思います。
半熟なら何とかなるのではないかと思いますが、インタビューホームという過酷試験を検索してみると50度で保存すると9か月で変性するそうです。半熟でも難しそうですね。

今思いつたことですが、もしかしたらご自宅の水道水が弱アルカリ性なのかもしれません。(地域によって違う可能性があります。参考:pHとは?|東京都水道局
ミネラルウォーターで飲んでみるように提案してみようと思います。
もしこれで違いが出ると画期的なことかもしれません。

なんとか飲んでもらえる有効な飲み方が見つかるといいのですが・・・

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小児の逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)のブログ一覧はこちらをごらんください。

 

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コメント

  1. 小児の薬剤は 大変でしょうね。
    ネキシウムにこだわる必要はなく他のPPIでもよさそうですが。ネキシウムで言えば 脱カプセルがよいかもしれませんし、懸濁用顆粒も選択できます。
    もちろんすでに御存知でしたらスミマセン。

      • 橋本 康志
      • 2020年 11月 07日

      緩和ケア医先生、ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
      私が探した限りで小児の適応のPPIが他に見つからず困っています。
      脱カプセルはカプセルの中身を飲んでもらうという作戦でしょうか?
      懸濁用顆粒をお子さんに飲ませるという発想は考えもしませんでした。(添付文書によると小児への使用経験がないとあるので、メーカーも教えてはくれないでしょうね)
      懸濁用顆粒も10mgがあるようなので、まずは我が子で試してみようかと思います。

      今小児用のH2ブロッカーを試すか検討中です。これも我が子で試してみようかと考えています。メーカーさんと取引がないので悩み中です。

      ブログに書いてみてよかったです。
      本当に貴重な情報をありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いします。

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