鳥医薬品から6/24にアトピー性皮膚炎に対する新しい治療薬であるコレクチム軟膏®︎が発売されます。アトピー性皮膚炎の治療薬としては1999年11月発売のプロトピック®︎以来の新発売となります。
通常アトピー性皮膚炎に対して使用するステロイドとは異なる作用機序のため、ステロイドでみられるような皮膚の菲薄化や多毛などの副作用の可能性は低い見込みです。
治験の段階では大きな副作用は無さそうです。プロトピック®︎で問題になった刺激感・疼痛も32例中1例ずつのみで、ヘルペス(カポジ水痘様疱疹症)が出来たという報告が2例あるそうです。プロトピック®︎で懸念されたような腫瘍性病変の新生の報告は動物実験では認められていないそうです。
副作用で治療の継続ができない可能性は低そうですが、炎症を抑えきれず継続出来ないことはあったようです。症状の程度によってはステロイドに切り替える必要がありそうです。
JAK阻害剤という全く新しい作用機序のお薬です。体内で働くJAKという酵素の働きを抑えることで炎症を抑えることができます。元々は関節リウマチに対する飲み薬として実用化されていますが、今回外用薬として初めて開発されました。作用機序としては炎症の原因となる物質(サイトカイン)の働きを抑えることで、炎症を抑えてくれるようです。
当院では通常の皮膚科で行うステロイド外用と抗アレルギー剤の内服だけでなく、食事の仕方を中心とした生活指導によりアトピー性皮膚炎の治癒を目指してはいます。何割かの方は薬の必要ない状態になりますが、残念ながら生活指導に反応されない方も2〜3割程度(正確な統計ではありません。私の印象です)おられます。生活指導に反応されない方の場合、ステロイドの外用でも皮膚の状態が落ち着かないことも多いため、作用機序の異なるこのコレクチム軟膏®︎に期待したいと思います。
ステロイドが不安でも刺激感でプロトピック®︎が使えない方にも使えるお薬としても期待出来ます。
6/24発売予定です。
(追記)橋本クリニックでは6/25から処方出来るようになりました。
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