2010年07月19日 gooブログにのせていたものをこちらに書き換えます。
朝起きると蚊に刺されたような盛り上がりがありました。

痒いです
二時間ほど経ちましたが、消えかけています
その病名は蕁麻疹(じんましん)です

蕁麻疹の特徴は蚊に刺されたような盛り上がりができて、数時間で消えてしまいます。跡形もなくなるのが特徴です。
二十四時間をこえないのが特徴です
(次々できる場合、数が多いと消えたのが分かりにくいこともあります)
皮膚科の中で診察時皮疹を見なくても、症状をお伺いするだけで診断がつく数少ない疾患の一つです。

蕁麻疹は寒冷刺激や発汗などが引き金になる原因のわかる蕁麻疹もありますが、特定の原因のわからない特発性蕁麻疹が大半です。
よく聞かれるのが食べ物ですか?という質問ですが、食べ物が原因であれば通常食べてから30分から2時間以内(まれに15分程度で出現することがあります)に症状が出現します。その時間以外に出現した(例えば寝ている間など)のであれば通常食べ物が原因の可能性は低いです。
ここで注意が必要なのが、いつもは大丈夫でも体調が悪い時や風邪薬などを飲んだ時にだけ症状がでる食べ物の蕁麻疹もあります。
特殊な蕁麻疹では食べ物を食べて運動すると症状が出現する、食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIA)というタイプの蕁麻疹があります。(日本ではエビやカニが多いといわれていますが、報告が多いだけで実際には小麦によるFDEIAが多いのではないかと思います)

目次

治療

蕁麻疹の治療は花粉症の内服薬と同じ抗アレルギー剤の内服です。当院ではアレグラ®(薬局で売っている花粉症の市販薬、アレグラ®と同じものです)、クラリチン®、タリオン®、デザレックス®などを第一選択に使います。私自身の蕁麻疹ではタリオン®を飲みます。その理由は効果が早いからです。手持ちの花粉症のお薬があれば、飲んで様子をみるのも一つの選択肢だと思います。
効果の早いものだと内服後30分程度で症状が改善し始めます。
今回は1か所だけだったので、薬を飲まずに様子を見ました。
3時間程度で症状は消退しました。

急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹

蕁麻疹は出始めてから1か月未満の急性蕁麻疹と、1か月以上続いている慢性蕁麻疹とがあります。
基本的に治療は同じです(正確には慢性蕁麻疹では特殊なお薬を使うことがありますがここでは省略します)。興味がある方は日本皮膚科学会の蕁麻疹の診療ガイドラインをご覧ください。
慢性蕁麻疹は持続することが多く、私が診察したことがある最長は15年続いているという方がおられましたが、いつの間にか治ってしまうことも多いようです。

手元に薬がない場合、濡れタオルや氷水で冷やしたタオルでの冷却が痒みに効果的です。
氷水で直接冷やすと冷やしすぎてかえって痒みが増す場合がありますので注意が必要です。
夜間や外出先などでは有効だと思います。

命にかかわる蕁麻疹

極々稀に命にかかわる蕁麻疹を発症する場合があります。それはアナフィラキシーと言われるもので何らかの原因で全身に蕁麻疹を発症し、血液中の水分が皮下に漏れ出すことで血管内の血液が足らなくなり、血圧が維持できず死に至るというものです。もう一つは喉頭浮腫というもので、のどの奥に蕁麻疹を発症し、のどの奥が腫れることで息が出来なくなり命にかかわります。
全身に蕁麻疹を発症し気分が悪くなる、あるいはのどの奥が腫れて息苦しくなるようなことがあればすぐに救急車を呼んでください。もし手持ちの抗アレルギー剤(花粉症などのお薬)があればすぐに内服し救急車を待ってください。

呉界隈で蕁麻疹でお困りの場合は、橋本クリニックを受診してみてください。
私自身の蕁麻疹が出るパターンは一言でいえば脱水でした。脱水対策をすると蕁麻疹が出にくくなりました。
現代の医学では薬で抑えることしかできませんが、脱水対策は根本治療になることがあります。(具体的に何人かの患者さんが改善(薬がいらない状態)しました)
具体的な脱水対策にご興味があれば受診してみてください。

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