目次 爪白癬の治療について |
鏡検(顕微鏡による検査)で爪から白癬菌が見つかった場合、爪白癬の診断が確定します。(爪白癬の写真はこちら) 数年前に爪白癬の治療の常識が変わりました。 以前は副作用が心配なお薬や飲み合わせで問題のある内服治療しか治療法がありませんでしたが、現在では外用療法(塗り薬)での治療が出来るようになりました。 以前は内服治療を行うことができないご高齢の方や妊婦さん、お子様には治療を行うことができませんでしたが、基本的にどなたでも治療を行うことができるようになりました。 比較的効果が高く、副作用の少ない内服薬が新たに発売になりましたが、外用の工夫(硬い爪を切って白いところを露出する等)で高確率で治癒が期待できるため当院では取り扱っておりませんでした。2019年にガイドラインが変更され、副作用により内服できない場合か内服の承諾が得られない場合を除き、内服治療が推奨されています。(恐らく、うまく白癬の部分を露出させることができないからだと思います) ガイドラインに沿って当院でも内服薬も選択肢の一つとして治療を行いますが、治療費や通院間隔などを含めて相談の上薬を決めたいと思います。70歳以上の方15歳未満の方には引き続き外用薬での治療を行います。爪白癬かもしれないとして当院を受診される場合、半分程度の方に爪白癬が見つかります。逆に言えば爪白癬かもしれないとして受診された方の半分の方は爪白癬ではなくても、爪が白くなっているということです。爪が白くなっていても爪白癬ではない可能性もあります。爪に何かお困りのことがありましたら橋本クリニックを受診してみてください。 |
以下に一覧表を掲載します。 外用薬の治癒率が低くなっていますが、外用のみだと爪が浮かび上がっている場合に治りにくいようです。当院では治癒率は出してはおりませんが、爪を剥がすように切ることで外用薬でも改善が期待できます。 最終的には患者さんと相談の上治療法を検討いたします。 尚内服薬を選択する際、併用禁忌・併用注意薬剤が含まれていなくても他の薬を飲まれている場合基本的にイトラコナゾールは選択肢から除外させていただきます(今後他院にて薬剤が変更される可能性が否定できないため)。 |
内服薬 |
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飲み薬 | ホスラブコナゾール
ネイリン®︎ |
テルビナフィン
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イトラコナゾール | |
用法 | 回数 | 1日1回 | 1日1回 | 1日2回 |
期間 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 3ヶ月 (月に7日間内服) | |
血液検査335点 (3割負担1010円) |
任意 (必ずしも必要ありません) |
計7回 (月1回) |
計4回 (月1回) |
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基本的に2週間毎の通院で行います | ||||
1ヵ月 薬剤費 (28日間) 調剤料を除く |
保険3割 | ¥6,875 | ¥1,359 | ¥4,937 |
保険1割 | ¥2,292 | ¥453 | ¥1,646 | |
1年後の 改善率 |
30~59% | 11.3% | 23.3% | 31.8% |
60~99% | 23.7% | 31.7% | 41.0% | |
治癒 | 59.4% | 33.3% | 10.5% | |
主な副作用 | 0.01%以下に重い肝機能障害、白血球減少、薬疹 | |||
禁忌 | なし | なし | 禁忌薬多数 (※1) |
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併用注意 | シンバスタチン (リポバス®︎) ミダゾラム (ドルミカム®︎、ブコラム®️) ワルファリン |
シメチジン (タガメット®︎) フルコナゾール (ジフルカン®︎) 三環系抗うつ剤 (トリプタノール®️等) マプロチリン (ルジオミール®️) デキストロメトルファン (メジコン®️) シクロスポリン (ネオーラル®️等) |
併用注意薬多数(※2) |
外用薬 |
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塗り薬 | エフィナコナゾール | |||
用法 | 1日1回 | |||
1か月 薬剤費 |
保険3割 | 月1本 | ¥1,700 | |
保険1割 | 月1本 | ¥567 | ||
1年後の 改善率 |
改善 | 63.4% | ||
治癒 | 28.8% | |||
主な副作用 | 塗布部皮膚炎・水泡 |
イトラコナゾール禁忌(※1) |
ピモジド キニジン ベプリジル トリアゾラム シンバスタチン アゼルニジピン ニソルジピン エルゴタミン ジヒドロエルゴタミン エルゴメトリン メチルエルゴメトリン バルデナフィル エプレレノン ブロナンセリン シルデナフィル(レバチオ) タダラフィル(アドシルカ) アスナプレビル バニプレビル スボレキサント イブルチニブ チカグレロル アリスキレン ダビガトラン リバーロキサバン リオシグアト |
イトラコナゾール併用注意(※2) |
アトルバスタチン ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 メチルプレドニゾロン デキサメタゾン ブデソニド コルヒチン ジソピラミド ベンゾジアゼピン系薬剤 抗精神病薬 免疫抑制剤 抗悪性腫瘍剤 オピオイド系鎮痛剤 ブプレノルフィン セレギリン ガランタミン モザバプタン トルバプタン エレトリプタン サルメテロール シクレソニド フルチカゾン アプレピタント イミダフェナシン ソリフェナシン トルテロジン シロスタゾール シナカルセト エバスチン サキナビル ダルナビル マラビロク オキシブチニン ドンペリドン シルデナフィル タダラフィル ワルファリン シメプレビル アキシチニブ フェソテロジン ボセンタン ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤 ベラパミル イリノテカン ニロチニブ アピキサバン ジゴキシン ブスルファン クラリスロマイシン リトナビル ホスアンプレナビル/リトナビル エリスロマイシン シプロフロキサシン インジナビル テラプレビル ダルナビル/リトナビル カルバマゼピン エトラビリン リファブチン リファンピシン フェニトイン イソニアジド フェノバルビタール エファビレンツ ネビラピン H2遮断薬 プロトンポンプ阻害剤 制酸剤 メロキシカム |