かつての禁酒法
禁酒法とはかつてアメリカで本当にお酒・アルコールを禁止した時代がありました。(参考:アメリカ合衆国における禁酒法)
調べてみるとこれまで禁酒令としてお酒・アルコールを禁止することは古代から何度も繰り返されていただそうです。(参考:禁酒令)
現代まで続いてはいないため、禁酒法・禁酒令はうまくいかないようです。
特にアメリカ合衆国における禁酒法は、アルコールが犯罪に関わっているためアルコールを禁止すると治安がよくなるという考え方で導入されたようです。結果としてアルコールを飲みたい人たちが密造酒を求めるようになり、マフィアが暗躍するという皮肉な結果になりました。しかもアルコールを違法としたことでアルコールからの税金がとだえて税収が減ってしまいました。
違法な闇アルコールが暗躍し、結果的に禁酒法施行前よりもアルコールの総量は増えてしまったそうです。飲酒運転の摘発は約5倍に増えたそうです(車が今ほど多くない、1920年代に既に飲酒運転が取り締まられていたのは驚きです)
結果的に治安も悪化してしまったそうです。
治安が悪化しないようにアルコールを禁止したにも関わらず、治安が悪化するのは皮肉としか言いようがありません。
北風と太陽の寓話のような話に思えてしまいます。というのが、北風と太陽の寓話は北風と太陽が旅人の服を脱がすことを競う話ですが、北風が服を吹き飛ばそうとしても寒くて頑なに服を飛ばさないようにしっかり着込んでしまいます。一方太陽はジリジリと照りつけるだけで旅人は暑くなって服を脱いでしまう話です。
結局1920〜1933年の間だけで終わってしまいました。
現代の禁酒法!?
現在飲食店でアルコールの提供禁止が現代の禁酒法のように見えてしまいます。流石にアルコールの販売が禁止されるわけではないのですが、アルコールの提供禁止がもたらす結果が禁酒法時代を思い起こさせます。
というのも店内でのアルコールが禁止されているので若者を中心に公園や路上飲みが増えているという話です。禁酒法時代には違法なアルコールがあちこちで売られるという抜け道があり、アルコールを飲みたい人たちが抜け道を模索するという構図だったようです。違法なためマフィアが仲介して治安が悪くなってしまいました。
店内でのアルコールが禁止されたので、店外でアルコールを飲むようになったり、お店がアルコールを提供できないためお客さんにアルコールをお店で買ってもらって持ち込みをしてもらったりして対応しています。アルコールの持ち込みというアイデアは私は座布団一枚と思ってしまいました。政府関係者が苦言を呈していましたが、飲食店の苦肉の策で知恵を絞った結果なので、私なら一球さんの知恵としては良いのですが、店内でアルコールを飲むことを自粛してくださいと説明していたでしょう。アルコールを提供することが問題なのではなく、アルコールを飲むことが問題だという認識です。
禁酒法時代、アルコールを禁止してもうまく機能しなかったように、そもそもアルコールを禁止することは得策ではないように思います。
私は禁止すると禁酒法時代のようにお店もお客さんも抜け道を探すので、禁止ではなく制限にする方が得策だと思います。北風と太陽の寓話のように禁止禁止と北風のようなことをすれば、なんとかして頑なに飲もうとする人たちがいます。
具体的な制限として例えば17時まではアルコールの提供OKとか、座席の4分の1の人数あるいは個室ならアルコール提供OKとかですね。
アルコール禁止!禁止!ではなく、量あるいは時間を制限すれば良いのにと私は思います。禁止されても工夫して飲んでしまうので、禁止ではなく制御された状態での飲酒にできるのが良いのではないでしょうか?
とはいえ数年前にお酒を卒業してしまった私には関係のない話ですが・・・。
後で振り返ると・・・
アメリカの禁酒法のように何年、何十年かして今回の禁酒要請は失敗だったという総括になるのではないかと私は思います。(もしかしたら非常に効果的だったという総括になるかもしれませんが・・)
というのも補助金という税金を使ってアルコール禁止要請を行ったものの、目に見えた効果があるように見えないからです。
10年20年、早ければ1・2年で今回のアルコール自粛要請の効果の結果がわかるかもしれませんね。
アルコールを飲まないからこそ思う話・・・
アルコールを飲まないからこそ思う話があります。私が飲食店の経営者であれば、今こそお酒を飲まない方も遠慮なくお越しください!と日頃アルコールを飲まない方向けにキャンペーンを行います。というのもお酒を飲むことが前提の居酒屋さんはアルコールを飲まない身としては入りにくいのが現状です。(それでも食べ物目当てで行くことがあるのですが肩身が狭い思いをすることもあります)
いわばこれまではお客さんではなかったアルコールを飲まない人たちに、アイディア一つでお店に足を運んでもらうことができるかもしれない絶好のチャンスです。アルコールを飲まなくてもお店に来てください!お料理が美味しいですよ!とアピールする絶好の機会だと思います。
お酒を売るのが目的でしたが、食事を売ることを目的に転換するのです。
どうしてもこれまでのお客さん、つまりアルコールを飲む人たちにアルコールは飲めないけど来てくださいというスタンスだったと思うのですが、アルコールを元々飲まない人たちに一度料理を食べに来てみてくださいというキャンペーンが良いのではないかと思います。
私なら、お料理を頼めばワンドリンク(自然とソフトドリンクになります)無料で提供します。もしくは最初の「お飲み物は?」という質問をやめます。
アルコールを飲まない身としては、是非日頃アルコールを飲まない人こそ今来てみてください!と積極的にアピールして欲しいなと思います。
1日も早く新型コロナ以前の日常に戻ることを祈っています。
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