あるジェネリック医薬品のメーカーが作ったイトラコナゾール・抗真菌剤(爪水虫薬)に誤って睡眠薬が混入され、眠気による交通事故で死者も出る事態に陥っています。
睡眠薬混入の一報が入ってすぐに該当薬品はすぐに回収されたはずです。この度過去最長となる116日間の業務停止命令の処分が決まったようです(参考:Yahoo!ニュース)。
同じ会社の他の薬剤も自主回収になっているようですが、みんなが恐れてしまって他のメーカーの薬剤にシフトしているらしく、一部の薬では品薄になって困っているそうです。ただここまでは想定内の話でした。
思わぬ余波は当院での診療に関してです。
爪白癬の治療はガイドラインにもあるように内服が中心になります。確かに内服してもらうとよく治ります。
ガイドラインにもありますし、治りがよいため内服を提案しますが、患者さんに内服は怖いからしたくないと言われました。
問題になったメーカーの薬ではないし、そもそも薬の種類が違うので心配ありませんよとお伝えしても、怖いから外用(塗り薬)で治療したいと言われました。
爪白癬の内服治療薬全般に対してネガティブなイメージを持たれてしまった可能性が窺い知れるエピソードでした。
確かに命に関わる訳ではない爪白癬を治そうとして死んでしまったということを聞くと怖くなるのも分かります。
他の薬剤が混入するという通常はあり得ないことが起こってしまっているのですが、通常では起こらないとは思いますので引き続き当院では内服薬での治療を行います。(たまたま今回は爪白癬の治療薬で問題になりましたが、どのお薬でも起こり得る可能性は0ではありません。(限りなく0に近いと信じていますが・・・))
万が一の可能性が怖いと思われる方には外用での治療を行いたいと思います。
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