つまり巻いているだけでは痛くなくて、細菌感染が起こると痛くなるという話でした。
次は陥入爪と巻き爪です。
一般的に巻き爪が痛くて・・・。と来院された方の大半は陥入爪です。
どんなものかというと、爪を切る際爪を深爪(爪を趾先端より短く切ることです)を原因として感染により痛みを伴う疾患です。
 
爪の先端が周囲の組織に当たるだけであれば歩く際少し痛い程度ですが、細菌感染を伴うと周囲に発赤を伴うようになり場合によっては歩けないほどの痛みとなります。
左側の爪の状態であれば抗生物質を内服することで改善しますが、右のように針の返しのようにとがっている(刺爪と言います)と抗生物質内服のみでは改善しないことがあります。
(図でははっきり見えるように書いておりますが、実際には皮膚の下に隠れているので直接見ることはできません。すいません。うまく絵が描けませんでした)

抗生物質内服でも改善しない場合には、局所麻酔下に赤い点線のようにできる限り断端が滑らかになるように、専用のカーブしたハサミで爪を切ります。
多くの方は一度深爪してしまい、伸びてきてもっと痛くなったのでもっと深く切ってしまうことにより発症します。
爪が痛い時には早めにお近くの皮膚科を受診するようにしてください。
 こんな感じで巻いてしまう爪ですから、深爪で生じる陥入爪とは全く別物です
巻き爪だけなら痛くはありません。見た目の問題だけですので、ご自身で形が気にならなければ治療の必要はありません。
爪の形が気になるのであれば自費治療にはなりますが、VHO(ワイヤーによる爪甲の矯正)の適応になります。最近ではご自分で巻き爪矯正が出来る巻き爪ロボをお勧めしています。
また巻き爪だけでなく化膿性爪囲炎を何回か繰り返すのであれば、食事の仕方に問題がある可能性があります。なかなか治らない化膿性爪囲炎でお困りでしたら橋本クリニックを受診してみてください。
今回の絵は一般の方の思われる巻き爪とは少し違うかもしれません。
一般の方の思われる巻き爪とは陥入爪で、陥入爪とは深爪が原因となって生じた化膿性爪囲炎のことで痛いのが特徴です。 |